日本神話「天岩戸隠れ」の舞台のひとつと伝えられ、
地元では今もこの一帯を「高天原」と呼ぶ。
弟・須佐之男命の乱暴を戒めるため、天照大御神が身を隠したという洞窟。太陽の神が姿を消したことで世界が闇に包まれ、力の神・天手力男神が岩戸をこじ開けて光を取り戻した——「古事記」「日本書紀」に記されるこの物語の舞台のひとつが、志摩市磯部町の山あいに今も静かに佇んでいます。
洞窟の湧出口は直径およそ50センチメートル。奥行きは約10キロメートルにおよび、遠く伊勢神宮の内宮へ通じているという言い伝えも残ります。境内に常駐する神職はなく、社殿も置かれていない、自然そのものを崇める原始的な聖地です。